特定保健用食品(トクホ)の関与成分「難消化性デキストリン」の主な5つの作用

健康志向の高い方であれば、どこかで耳にしたことがあるかもしれない「難消化性デキストリン」

今回は、トクホ(特定保健用食品)の関与成分でもある「難消化性デキストリン」の主な5つの作用について紹介いたします。

難消化性デキストリンの主な作用

コレステロール、中性脂肪を低下させる

メタボリックシンドロームの基準にもなっているコレステロールと中性脂肪。

コレステロールは、血管壁や細胞膜を作り出すために必要なものですし、中性脂肪は血清脂質なので体にとって不可欠なエネルギーを運搬したり貯蔵したりする大事な働きがあります。

ただし、数値が高くなりすぎると、コレステロールは生活習慣病の原因となる動脈硬化を引き起こし、中性脂肪は脂肪肝の原因になってしまいます。

一時期流行ったメタボリックシンドロームも、年々増えているといわれていて、45歳から74歳の女性は5人に1人、男性の場合だと2人に1人がメタボリックシンドローム、もしくはその予備軍の可能性があるとして注意喚起されています。

生活習慣病の原因となる内臓脂肪の蓄積を防ぐためには、運動や食事を改善することが重要になってくるのですが、難消化デキストリンを摂取することで、このコレステロールと中性脂肪を下げる効果が期待できます。

日本食物繊維の研究によると、難消化デキストリンを3ヶ月摂取したことで、コレステロール値が232+-10.8から201.3+-7.8に下がり、中性脂肪が344.7+-63.8から192.9+-28.2にまで下がったという結果が得られています。

これは、たった10gの難消化デキストリンを1日に3回を3ヶ月摂取し続けたもので、その効果の高さがうかがえます。

内臓脂肪の面積値が減少する

こちらもコレステロール、中性脂肪と同じ様に、3ヶ月間、1日3回10gの難消化デキストリンを摂取し続けたデータによると、内臓脂肪の面積値が難消化デキストリンを摂取する前は、273.4cm2だったのが、152.9cm2にまで減少し、ウエストの周囲経は105.1cmから95.1cmにまで減少しました。内臓脂肪は44%も減少し、ウエスト周囲径は10センチも減少したため、難消化デキストリンには、内臓脂肪の面積値を減少させる効果が期待できるということがわかります。

食後血糖と食後中性脂肪の上昇を緩やかにする

難消化デキストリンを摂取することで、インスリンの分泌をコントロールし正常化させることができるので、食後の血糖値の上昇を防ぎ、糖尿病の予防につなげる効果も期待できます。

また、中性脂肪が上昇するのを防ぐために、脂質が体内に吸収させるのを遅らせる働きもあるため、高脂血症を予防する効果も期待できます。

ミネラル分の吸収を促す

難消化デキストリンを摂取した場合、亜鉛や鉄、マグネシウム、カルシウムなどの吸収率がそれぞれ上昇していることが明らかになっています。

これまでは、食物繊維の摂取は、ミネラルが吸収されるのを防ぐと信じられてきましたが、最近の研究では、食物繊維が低粘度であるため、腸内細菌に利用されやすく、ミネラルを吸収しやすくなるということが明らかになりました。

難消化デキストリンを摂取した時期と、摂取しない時期とでは、ヘモグロビンの濃度にも変化が表れたため、ミネラル分を吸収しやすいという結果の裏付けにもなっています。

お腹の調子を整える整腸作用がある

難消化デキストリンは、水溶性の食物繊維なので、排泄量を改善する効果が期待できるということがわかっています。

便秘には食物繊維が効果的だということが一般的な常識となっていますが、日本臨床栄養学会の研究によると、難消化デキストリンをたった5g、10日間摂取しただけで、ビフィズス菌の数が増えるなど、腸内環境の改善につながり、排泄量も、排泄の回数も増えるという結果が出ています。

また、下痢の特徴でもある泥状や水状になった便が減少することも報告されているため、下痢にも一定以上の効果が期待できます。